非常に暗かった恒星が突然として大爆発をおこし、数日間に約15等級(100万倍)も明るさを増し、1〜2年かかって緩やかに減光する現象。日本、中国、アラビアなどの古い文献にも超新星爆発の記録があります。その平均的な出現率は、1つの銀河において、20〜50年に1個と推定されています。1987年2月、地球から16万光年離れた大マゼラン星雲のなかで超新星爆発が発見され、肉眼でみえる超新星としては1604年にケプラーが発見して以来、383年ぶりのものとなります。
爆発のメカニズムの違いによってT型とU型があり、最大光度時のスペクトルにおいて水素の吸収線の有無によりI型(水素線がない)
とII型(水素線がある)に分類されれています。I型の超新星はさらにSiの波長6335Aの吸収の青方偏移により作られる波長6150A付近の強い吸収線の有無によりIa型超新星(Siの吸収線がある)とIb,Ic型超新星(Siの吸収線がない)に細分類されます。Ib型超新星とIc型超新星の違いはHeの吸収線が存在する(Ib)か、存在しない(Ic)かで決まります。II型の超新星もその光度曲線(縦軸に明るさの対数、横軸に時間をとったグラフ)の形状によりII-P、II-Lなどに細分類しています。
T型
T型の超新星とは、楕円(だえん)銀河などでよく発見されるもので、白色矮星と赤色巨星との近接した連星系での爆発現象です。赤色巨星に進化した主星がどんどん膨張し続けるとき、その外層のガスは伴星である白色矮星の表面へ降り積もって行くに伴い、おもに炭素や酸素からできている白色矮星は質量が増加し、そのため星の中心部は圧縮され、その温度が9億度になると炭素が燃える熱核反応が起こり始めます。ガスの降り積もりがいっそう激しくなると、この熱核反応は爆発的に進み、白色矮星が爆発します。これがT型の超新星現象であり、U型の超新星と違い、中心にパルサーなどの天体を残すことなく、ガスは秒速1万キロメートル以上のスピードで跡形もなく吹き飛んでしまう。このガスもやがて星間空間のガスと混じり合うことになります。
Ia型は、絶対的な明るさが同じであるため、銀河などのj距離を測ることができます。
ケプラーの新星は、Ia型です。
U型
U型の超新星とは、太陽の8倍以上の質量をもつ重い星の進化の最終状態(死)と考えられているもので、その結果、中性子星、パルサー、ブラック・ホールなどが形成される。爆発の際に発生する総エネルギーは、太陽が一生(約100億年)の間に放出する量とほぼ同じ1044ジュール程度であり、これをわずか数日間に放出してしまうため、その爆発直後の明るさは絶対等級でマイナス18〜マイナス19等と太陽の100億倍にもなります。
星の中心部での熱核反応によって水素ガスをHe(ヘリウム)、C(炭素)、N(窒素)、O(酸素)と新しい元素に次々と変換しながらエネルギーを生成してきた重い星は、その進化の最終段階で、中心部に鉄のコアを形成する。中心の温度が約50億Kに達するとγ(ガンマ)線強度が異常に高まり、鉄のコアは「光分解」をおこし、そのとき多量の熱エネルギーが吸収され、圧力が一挙に低下します。すると星の外層部はその中心に向かって急激に落下し、重力エネルギーが解放されて高温となり、鉄のコア近くでSi(ケイ素)などの熱核反応が暴走し、その結果、星の外層は爆発的に吹き飛ばされてしまいます(ホイル‐ファウラーの説)。
光分解のときに発生する多量の中性子はFe(鉄)、Co(コバルト)、Ni(ニッケル)などの原子核に捕獲され、星の内部ではつくられなかった鉄よりも重い原子核が次々と形成されていきます(超新星による重元素の合成)。これらの元素やC、N、O、S(硫黄(いおう))などの元素を多量に含んだ星の外層ガスは星間空間のガスと混じり合い、ガスの化学(元素)組成を著しく変化させてしまう。(超新星残骸)この星間ガスはやがて冷えていき、そこから次の世代の新しい星が誕生し、数千万年後、ふたたび超新星となって爆発を繰り返えします。
参考
質量が太陽の約8倍以下の軽い星の場合は、末期には中心で水素がなくなり、ヘリウムの核が形成されます。この核がある程度大きくなると外層の水素に富む層が放出され、中心星の周りに雲状に広がります。このガスが中心星が放射する紫外線で電離され、ガス中に含まれる元素に特有の輝線を放射します。これを惑星状星雲と呼びます。大きさは1光年程度です。分解能の悪い望遠鏡で見ると、丸い形をした惑星のように見えたため、W.
ハーシェル(John Frederick William Herschel イギリス 1792〜1871)が「惑星状星雲」と名付けました。ガスが膨張するにつれ、雲は希薄になって消え、中心星は次第に冷却し白色矮星となります。たとえば、こと座の環状星雲(M57)、こぎつね座のあれい星雲などがあります。
超新星残骸 
この画像は、地球から18万光年離れた大マゼラン雲にある N132Dという超新星残骸です。画像の色はエネルギーの違いに対応しており、赤は低エネルギーに、緑は中間、青は高エネルギーを表しています。
超新星残骸とは、超新星爆発によって放たれるエネルギーはすさまじい量で、この銀河系全ての星の明るさを越えてしまうほどになります。これほどの大爆発になるとその痕跡が何万年にも渡って残り、様々な形で観測することができます。これが超新星残骸と呼ばれるものです。
宇宙の化学的な進化はそのほとんどが恒星の中での核反応で行われます。はじめは水素とへリウムしか存在しなかった宇宙で、様々な元素が誕生したのは恒星の中なのです。これらの重い元素は超新星爆発を通して宇宙空間に放出されます。超新星残骸を研究するということはすなわち、宇宙の化学的な進化を調べる事でもあります。
では、超新星残骸はどのような形で我々に観測されるのでしょうか?その形態は大きく分けて2つに分類することができます。1つは、大きく広がった高温のプラズマの塊として観測され、多くの場合殻状の球形をしているため、シェル型超新星残骸と呼ばれます。これは、超新星によって飛散した星の残骸(イジェクタと呼びます)が、音速を大きく越えて飛び散るために衝撃波が発生し、この衝撃波によって一千万度以上の高温に加熱された星間物質やイジェクタそのものが見えているものです。この超新星残骸は時間と共に次第に形態を変え、進化していきます。その進化の課程は4つに分類され、
自由膨張期
断熱膨張期
放射冷却期
消滅期
と呼ばれています。自由膨張期は飛び散ったイジェクタ(放出された物質)が何にも妨げられることなく自由に広がっている状態です。この状態では、超新星のエネルギーはイジェクタの運動エネルギーに大半が使われており、ほとんど光を出しません。この状態が約100年ほど続きます。時間が経ち、飛び散るイジェクタによって発生した衝撃波(ブラストショックといいます)に掃き集められた星間物質の量がイジェクタとほぼ同質量になって来ると断熱膨張期に入ります。衝撃波は飲み込んだ物質を圧縮、加熱していく性質があるので、掃き集められた星間物質は非常に高温に加熱されます。この時期の衝撃波の速度は数百から数千km/sec
程もあり、これによって加熱された星間ガスは数千万から数億度にもなります。また、衝撃波は密度の高くなったガスの殻に跳ね返され内側に向かっても走り始め(これをリバースショックと言います)、イジェクタ自体も加熱します。この加熱されたガスはその温度に応じたX線を放射します。ただし、その量は超新星残骸全体のエネルギーに比べると非常に小さいので超新星残骸そのものはほぼ周りとのエネルギーのやり取りのない断熱状態にあると言えます。この時期が約1万年ほど続きます。さらに進化が進むと、膨張するのに使うエネルギーが超新星残骸全体のエネルギーの中で大きな割合を持つようになってきて、膨張速度が遅くなり、超新星残骸は冷え始めます。高温ガスは数百万度程度の温度では冷えれば冷えるほどたくさんの放射を出すようになり、冷えたガスは局所的に収縮して、なお効率よく放射を出すようになるので、エネルギーを放射の形で吐きだし続け、一気に超新星残骸の温度が下がり始めます。この状態が放射冷却期です。超新星残骸はこの後もさらに冷えていき、周りの星間空間と区別がつかなくなり消えていき、消滅期へと移行していくことになります。このとき密度の低い中心部分はいつまでも冷えずに残り、宇宙にホットバブルと言われる泡状の構造をつくります。
もう一つの超新星残骸は、その代表的な天体の名を付けてかに星雲型と呼ばれます。超新星が起ったときに、その中心に星の核が残る場合があります。恒星ではその巨大な重力を核反応のエネルギーで支えていますが、その核反応の燃料が切れたときに超新星爆発を起し、中心に残った核は自らの重力で収縮していきます。この重力はすさまじいもので、原子の構造さえも破壊し、電子は陽子に取り込まれ中性子となっていきます。元の星の質量がある程度以下だと、収縮は中性子の縮退圧という圧力によって止められます。この状態が中性子星といわれる中性子の塊の星です。この星はわすか10km程の直径の中に太陽1個分よりまだ多い質量を含みます。さらに質量が大きいと中性子の縮退圧でも収縮は止まらず、物質はシュバルツシルド半径と言われる事象の地平の彼方へ落ち込んでいってしまいます。この中からはあまりの重力ゆえに光すら脱出することができず、その中をうかがうことはできません。これはブラックホールと呼ばれます。かに星雲型超新星残骸の正体は中性子星です

超新星(SuperNova)