火 星                                                    



 軌道長半径: 1.52368AU   公転周期: 686.98日
 軌道傾斜角: 1.8497度    離心率: 0.0934
 赤道傾斜角: 25.19度     自転周期: 1.025957日
 赤道半径: 3397km       視半径: 8.94″
 質量:6.4219e23 kg (地球=1) 0.10745
最大光度:−3.0等級
 平均比重: 3.93         扁平率: 0.0052
 衛星数: 2            会合周期: 779.9日
 表面温度: 最低-140℃ 最高 20℃ 
 大気の構成: 二酸化炭素 95.32% 窒素2.7%
 アルゴン   1.6% その他(酸素、一酸化炭素等)0.38%

Image from NASA/JPL

 太陽から四番目の惑星。赤い惑星とも呼ばれ、その血のように赤い色から戦争や不吉の前触れと考えられるなど、昔から人類との関わりの深い惑星です。白い極冠、火山、深い峡谷、砂漠などがあり、地形は太陽系の中で地球に次いで複雑です。大きさは地球の約半分で、地球と組成のよく似た岩石のマントルがあり、中心核は酸化鉄でできていると考られています。密度は地球の2/3ですが、金属の含有量がほとんど無い岩石であるため、質量は地球のわずか1/10しかありません。

 火星の表面は、赤道面に対して35度の傾斜角度で北部と南部に大別され、それぞれ異なった性質を持っています。北部は、クレーターの少ない比較的新しいなだらかな火山性の平原が中心となっています。南部は、無数の巨大な衝突クレーターで覆われている古い地形が中心となっている。ヘラス、アージャイル、イシデスのような巨大隕石の衝突で生じたと思われる大きな衝突クレーターがあります。

 自転軸が25.2度傾いているので、火星には地球と同じように季節の変化がありますが、公転周期が長い(約687地球日)ため、火星の季節はいずれも地球より2倍も長くなります。火星が赤く見えるのは、地表面に含まれる酸化鉄のためです。

 火星には二酸化炭素を主成分(95.3%、その他に窒素とアルゴン)とする薄い大気ですが、低温、低圧であるため、二酸化炭素や水蒸気が凍結してドライアイス(二酸化炭素の氷)や氷となる。北極の氷冠は主に凍った液体の水であり、南極の氷冠はドライアイスで出来ていると考えられています。

 2002年5月29日 NASA JPL(ジェット推進研究所)の火星探査機マーズ・オデッセイの観測により、火星の南極付近の地下浅いところに大量の氷が存在していることが明らかになりました。オデッセイは、宇宙線が火星表面に衝突した際に出るガンマ線や中性子を観測。地表近くがどんな物質で構成されているかを推測した結果、 緯度が60度以上の両極地域では、乾いた表土の数十センチ下に、相当量の水が氷として存在しているようです。表土と氷を含む層の総重量の20〜35%が氷だとNASAはみています。

火星は地球と異なり、以下の特徴を持っています。
@乾いた大気
 大気中に存在する水蒸気量は非常に少なく降水量にして10μm程度ですが、大気中では飽和に近いため赤道付近では氷雲がしばしば観測されます。
A冬極における大気主成分の凝結と夏極での昇華
 地表気温が二酸化炭素の凝結温度まで下がる火星の極夜領域で生じます。冬の極域の地表を覆った二酸化炭素の氷は昇華するため、極冠は冬半球では緯度50°まで張り出し、夏半球では極付近まで後退します。
B大気中に常時存在するダスト
 ダストは可視及び赤外放射を散乱吸収することで、大気の温度縦貫構造に大きな影響を及ぼしています。ダストには、ダストストームとダストデビルがあります。ダストストームは、大気中のダスト量を大きく変動させる原因で、空間スケールによりグローバル(火星が覆うほど)、リージョナル(1000km以上)、ローカル(1000km以下)の3種類に分類されています。ダストデビルは、ダストによって可視化された大気の渦(10m〜1km)です。

主な地形
 マリナー渓谷
  火星の赤道地帯を東西に走り、火星表面4000kmにもわたり広がっており、中間地点では深さ7km、幅が600kmに達しています。この峡谷はタルシス高地の隆起でできた断層と考えられています。この峡谷 から続く溝は、一時的な洪水によって形成されたものと考えられています。



                                                                                                                              
 オリンパス山
 標高2万6000mの太陽系で最も高い盾状火山です。その底部は直径500km以上あり、6kmの崖があります。活発な火山帯の上で何百万年もの間成長し続けました。
 














南極冠
 冬の南極冠は、主に二酸化炭素の氷(ドライアイス)に覆われていて最も大きくなります。夏は 薄い水の氷で覆われているだけのようです。これは地球と同じように、自転軸が25 度傾いているために、季節の変化が起こるからです。



NASAの火星探査ローバの一つであるオパチュニティが写したエデユランスクレータの南東部の壁面。ニックネームは「Burrns Cliff:」(焼け残り)です。
image NASA/JPL/Cornell

衛星 フォボス、デイモス

フォボス(Phobos)
火星の中心からの距離: 9378 km
直径: 22.2 km (27 x 21.6 x 18.8)
質量: 1.08e16 kg

 火星の第一衛星(内側の軌道を回る衛星)で、長軸の直径は27kmと非常に小さい。1877年にA・ホール(1829〜1907)により、もう一つの衛星デイモス(ダイモスとも言う)とともに発見されました。いずれもじゃが芋に似た形をしており、火星の引力にとらえられた小惑星と考えられています。1977年、火星探査機バイキング1号が500kmまで接近して撮影した画像によると、クレーターの多い岩石の表面をしていることがわかりました。スティックニーは最大のクレーターで、火星の直径の1/3を占めています。

 火星からの平均距離は約9380kmで、火星より速く、7時間40分で一回転するので、一日のうちに3回昇ったり沈んだりします。フォボスは火星の重力で内側に引かれているので、約5万年後には火星に衝突するだろうといわれています。


デイモス・ダイモス(Deimos)
デイモスは火星の2つの衛星のうち、小さく外側にある方の衛星です。
火星からの距離: 23,459 km
直径: 12.6 km (15 x 12.2 x 11)
質量: 1.8e15 kg

 火星の第二衛星(外側の軌道を回る衛星)で、長軸直径は15kmとフォボスより更に小さい。火星からの平均距離は2万3500kmで、30時間で火星を一周する。バイキング2号より得られた画像によると、デイモスは真っ黒い岩石でできていて、フォボス同様クレーターに覆われてはいるが、大きなクレーターは少なく、表面は滑らかで割れ目も少ないことがわかりました。

 デイモスもフォボス同様炭素質コンドライト隕石(最もありふれた石質隕石で、特徴はコンドリュールという珪酸塩鉱物を含んでいることである)に似た組成をしていることから、火星に捕らえられた小惑星であるといわれています。

 デイモスは太陽系に知られている衛星の中で 最も小さい衛星です。
 最大の衛星は、木星の衛星ガニメデです。(水星よりでかい!)


(MARS)

Image from NASA

太陽系

まるの部屋


ESA/DLR/FU Berlin (G. Neukum)

火星の接近(地球との)

地球の軌道はほぼ円軌道ですが、火星はかなり楕円な軌道(離心率= 0.0934)をしており、2年2ヶ月ごとの接近する火星と地球との距離もかなり違ってきます。

火星と生命

 19世紀の半ばからの望遠鏡の性能向上により火星観測が発達したころ、スキャパレリが火星に筋模様が存在するのを発見し、その筋が運河と解釈され、火星人がいるのではないかとの話題になりました。その後の観測で、火星の厳しい環境がわかるにつれ火星人がいるという説は消えました。しかし、極冠には水の存在を示し生物の可能性は残していましたがバイキング等探査機の土壌分析等から生命の痕跡はみられませんでした。1996年の火星の隕石からバクテリアの化石が発見、その後のマーズ探査等から、かって水が火星に存在した証拠が見られましたが生命は発見できませんでした。
 果たして、火星に生命は存在するのか、現時点では不明です。