ブラックホールは物体を飲み込みますが、アインシュタインの一般相対性理論から、ブラックホールを時間反転したもの、つまり物体を吐き出す時空も理論的には考えられます。それがホワイトホールです。また、ブラックホールとホワイトホールを結びつけたものも考えられ、それはワームホールと呼ばれています。
 急激な膨張をつづける宇宙からやがて独立した子供宇宙はワームホールを通じて母宇宙とつながっていると推測されています。
 母宇宙から見るとワームホールは何でも吸い込むブラックホールであり,子宇宙(child universe)から見るとこれは吐き出すだけで何にも吸い込まれないホワイトホールなのです。
 したがって理論的にはブラックホールに吸い込まれた物質がワームホールという抜け穴を通ってホワイトホールに到達し,すべてそこから吐き出されるということになります。 しかし、ブラックホールが実際に観測によって次々と確かめられつつあるのに対しホワイトホールの方は現在のところ全くの理論上の産物となっています
 このワームホールの理論を使ってタイムマシンを考えた学者がいました。、量子的につくり出されたワームホールを宇宙船が通過できるほどに拡大し、そのままにしておけばつぶれてしまうワームホールというトンネルを支える物質を考え、さらにその口を光速に近いスピードで移動することを想定しました。その上で、光速で運動する物体の時間が遅くなるという特殊相対性理論の結果を適用すれば、過去に戻るタイムマシンがつくれるのではないかと考えました。だが、これも一つの理論でしかありません。

 質量が太陽の約8倍〜30倍ある恒星が、超新星爆発を起こしたとき、中心部に残される超高密度の中性子の星をいいます。
 典型的な中性子星は、半径約10キロメートルに太陽の1.4倍もの質量が詰め込まれており、密度は1立方センチメートルにつき10億トン(白色矮星の10億倍)もあります。これは原子核の密度と同程度で、このような超高密度では電子は原子核の陽子の中に吸収されほとんどの陽子は中性子となるので、中性子星と呼ばれています。 また、中性子星の一部には正確な周期で規則正しく電磁波(パルス)を出していることから,パルサーとも呼ばれています。これは,自転軸から傾いた強い磁場を持つ中性子星が1秒間に数回から数百回の高速で自転しているために,磁場(約1億テスラ)から放射される電波がまるで灯台のように見え隠れし,その結果が規則的なパルスとなるためです。そのパルサーも数十億年たてばパルスも発生しなくなります。X線で明るく輝いている中性子星は、太陽質量の数倍から数十倍の高質量星との近接連星系をなしています(X線連星パルサー:X-ray binary pulsar と言います)。
 中性子星は1939年にオッペンハイマー(J. Robert Oppenheimer アメリカ 1904〜1967)とボルコフが純粋に理論的に存在を予言しました。その後30年にわたって、中性子星は理論上の産物に過ぎないと考えられてきましたが、かに星雲が1054年に起こった超新星爆発の残骸の中心にパルサーが発見されて、中性子星の存在が証明されました。
 中性子星が支えられる質量は、太陽質量の3.2倍以下です。

 主系列星の星で太陽の30倍以上の大質量(厳密には、重元素の含有割合により質量は変化する)の星が超新星爆発を起こし、残った質量が太陽の3.2倍以上の場合、星は星自身の重力により押しつぶされ、光されを逃げ出せない重力を発生します。これが恒星質量ブラックホールです。その他、銀河の中心に存在すると考えられている、太陽の100万倍から10億倍もの質量を持つ巨大ブラックホール(supermassive black hole)があります。 現在では,多くの銀河がその中心に巨大ブラックホールをもつと考えられています(当然銀河系もあります)。最近中質量ブラックホール(太陽の30倍〜1000倍の質量)も発見されてきました。なぜ、強大なブラックホールができるのかあまり解っていませんが、スターバーストによる巨大質量星が形成され、それが超新星爆発を起こすと中質量ブラックホールができます。この中質量ブラックホールが他のブラックホールと合体し、巨大なブラックホールができると言う説があります。
 ブラックホールの周囲にガスがあると、重力で引き寄せられますが、ガスはブラックホール周囲を巡る公転運動することになり、ガスの円盤(降着円盤、accretion disk)を作ります。降着円盤の回転は、内側が速く、場所ごとに違っているためガスとガスの摩擦を起こし高温になり、中心付近ではX線を発生します。
 ブラックホール大きさは、これ以上近づくと光さえも逃れられない半径を、シュバルツシルト半径(Schwarzschild radius事象の地平線)と言います。シュバツルシルト半径内でも空間はあり、中心には特異点が存在します。
 
 1916年、カール・シュバルツシルト(1873〜1916)は、 一般相対性理論の重力場の方程式の解を見つけ、ある有限半径で空間の曲率が無限になることを発見しましたが、その数ヶ月後には42歳の若さで亡くなりました。1966年には、ペンローズとホーキングが、一般相対性理論に従う限りブラックホールの中心に特異点(singularity)が存在することを特異点定理として発表しました。

 ブラックホールのそばでは光が強く曲がり、遠方から見ると同じ点の像がいくつも見えます。また、ブラックホールに近づくほど光の曲がりにより見かけの大きさが大きくなります。光がブラックホールに近づき曲げられ、遠方に逃れるか又はブラックホールに吸い込まれますが、その境界では光がブラックホールの周りを回ることになります。この半径を光子半径と言いシュバルツシルト半径の1.5倍になります。

  地球と同質量のブラックホールのシュバルツシルト半径は約17mmになります。太陽と同質量のブラックホールの大きさは直径6km程度になります。

 
ブラックホールの蒸発
 
 ベンシュタイン・ホーキング理論によれば、真空の宇宙では光子が対生成と対消滅を繰り返していおり、対生成した光子は一方が負のエネルギーを、他方が正のエネルギーを持っています。ブラックホール近傍では強力な潮汐作用により光子が吸い込まれる。すると一方は反動で遠方に飛び出し、あたかもブラックホールから光が飛び出すかのように見えます。質量の小さなブラックホール(10億トン以下)の方が潮汐作力が強く、光子が大きなエネルギーを持って勢いよく外の放出されます。一般に、温度の高い物体から放出される光ほど波長が短く、エネルギーが大きいため、質量の小さいブラックホール程高温です。 ブラックホールは光を放出しエネルギーを放出し徐々に質量を失い、ブラックホールの蒸発が起きます。そして質量が減ると、さらに高温になりますます蒸発が進みます。太陽の重さのブラックホールでは、その温度が絶対温度で1/100Kと非常に低く、蒸発・消滅するまでに宇宙年齢(現在の推定では137億年)の10の54乗倍かかり、巨大ブラックホールでは、さらに時間がかかります。
 この理論は、ストロミンジャーとヴァファが超ひも理論(Superstring theory)からも、ベンシュタイン・ホーキング理論を説明できるとの説を唱えました。
 この超ひも理論によれば、ブラックホールは、Dプレーンと超ひもの集合体だというのです、はたしてどうでしょうか。超ひも理論の今後の発展に期待しています。


ブラックホールの種類

 シュバルツシエルト・ブラックホール以外に2種類のブラックホールがあります。これは。ブラックホールは重力崩壊の過程で情報が失われ、最終的には「質量」、「角運動量」、「電荷」のみになることから、このような種類が生まれます。

@シュバルツシエルト・ブラックホール(質量)
  静止した球状のブラックホールです。

Aカー・ブラックホール(質量+角運動量)
 自転しているブラックホールであり、その表面は回転しているため遠心力が働き、赤道面の方が極方向より膨らんだ回転体の形をしている。カー・ブラックホールの特徴は表面の外側の空間自体がブラックホールの回転に引きずられ回転していることです。特異点はリング状に広がっています。
 エルゴ球(ergo sphere)と呼ばれる特徴的な領域が存在します。この領域では強い慣性系の引きずりの効果を受け、光子や粒子はブラックホールとともに回転します。

Bライスナー・ノルドシュトロームブラックホール(質量+電荷)
 電荷を持ったブラックホールです。このブラックホールを作るためには、電荷をもった物質を重力崩壊させなければならなりません。しかし、ブラックホールになる前に電気力が働いて反発してブラックホールにならないと考えられます。シュバルツシエルト・ブラックホールに電荷を投げ込めば出来るかもしれません。回転しているのはカー・ライスナー・ノルドシュトロームブラックホールといます。

また、ブラックホールには、周囲の円盤の回転方向と同じ向きに自転する(順行)ブラックホールと、逆向きに自転する(逆行)ブラックホールとがあります。

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中性子星 (Neutron star)パルサー (Pulsar)
 質量が太陽の8倍以下の主系列星では、星が進化して赤色巨星になったとき、その膨張した外層が星の外へ放出していき,そのときに残された中心部分が白色矮星として残ります。表面温度は10,000K程度です。
 白色矮星は、核融合によるエネルギーの生成はしておらず、内部に残った熱エネルギーのみで光っており次第に冷えて暗くなってゆきます。白色矮星を構成する物質は、核融合反応によって生じた、ヘリウム、炭素、酸素などです(他に、ネオンやマグネシウムなどです)。白色矮星では、高密度のために原子内の電子は、フェルミ縮退しておりパウリの排他律からそれ以上の縮退状態を形成できず、これによる縮退圧の圧力と星自身の重力が釣り合って白色矮星はその形を保っていられます。やがて、白色矮星は冷えてゆき黒色矮星(Black Dwarf)となります。白色矮星のほとんどは、地球くらいの大きさで太陽の0.6倍ほどの質量があります。
 太陽質量のおよそ1.4倍以上の白色矮星は存在しません(チャンドラセカール限界: Chandrasekhar limit)。1.4倍以上の場合は、電子の縮退圧では重力による星の収縮を支えきれず、超新星爆発を起こし中心に中性子星が残ります。但し、白色矮星が高速で自転している場合、遠心力のため中心密度が低くなり、チャンドラセカール限界を超える質量になることがあります。この場合、自転が遅くなってから爆発します。
 太陽の質量の白色矮星は、直径1万km程度の大きさになります。
 シリウスの伴星(1925年に発見)などが有名です。

ブラックホール・中性子星・白色矮星
 ホワイトホール・ワームホール

ブラックホール(Black Hole)

ホワイトホール(white hole)とワームホール(worm hole)

白色矮星(White dwarf)